身体の形成

豊胸術

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//はじめに//

豊胸の手段としては自己脂肪の注入シリコンバッグの挿入がありますが、脂肪注入法は注入された脂肪のほとんどが吸収され、吸収されずに残ったものは固いしこりとなってしまうだけで豊胸効果を得るに致らないことが多いです。また雑誌の通信販売で見かける豊胸クリームや飲み薬、さまざまな豊胸器具などはほとんど効果がないのでお勧めできません。

上記の理由から、当サイトではシリコンバッグの挿入について説明致します。

//どこを切るか//

シリコンバッグの挿入場所(イラスト)腋窩(脇の下)、乳房の下縁、乳輪の下縁の3種類がありますが、乳輪下縁からの挿入は省略します。以下に述べるようにバッグの挿入場所によってどこを切開するか決めていきます。

//バッグをどこに挿入するか//

大胸筋と小胸筋(イラスト)大胸筋の裏側あるいは大胸筋の前(乳腺の裏側)に挿入します。挿入箇所としてどちらが優れているかは一概には言えませんので、以下に記す特徴を理解し、医師と相談の上、決めることになります。

(1).大胸筋の裏側

・大胸筋の底上げによって豊胸効果を得る為、バッグの形が浮き出にくく、釣鐘(つりがね)型の形に仕上がりやすい。

・乳腺組識と大胸筋で隔てられているので、授乳や乳癌の早期発見治療に影響を及ばさない。

・バッグ挿入腔を広く作る(剥離が広くできる)ので、被膜拘縮(ひまくこうしゅく)が起きてもそれほど不自然にならない。


    

(2).大胸筋の前(乳腺の裏側)

・バッグそのもので豊胸効果を得る為、バッグの形が浮き出やすく、おわん型の形に仕上がりやすい。下着なしでも叶姉妹のような完璧な谷間ができる。

・授乳に影響を及ぼす可能性がある。

・被膜拘縮が強く出たときに、不自然な形になりやすい。

//バッグの種類について//

【内容物】

@シリコンジェルが充填されたバッグ

A生理食塩水が充填されたバッグ

Bハイドロジェルが充填されたバッグ


Aは1990年代前半〜1998年頃まで主流でしたが、将来的に水が抜けて、バックの縁がペコペコ触れるようになること、最悪水がすべて抜けてしまい、バックの取り出しや入替え必要なケースがあることなどから、最近ではあまり使われなくなりました。

Bは2000〜2002年くらいに脚光を浴びて、一時期盛んに使われたのですが、最近では安全性に疑問があることからほとんど使われなくなりました。

@が現在どこのクリニックでもよく使われていると思いますが、昔のような液状シリコンジェルではなく、それよりもはるかに凝集性のある(コヒーシブな)シリコンジェルになっており、例えバッグに亀裂が入っても漏れ出ないとされています。最近ではコヒーシブシリコンという名称が一般的になった感があります。


【バッグの形状】

@楕円型(ラウンド型と称されます)

A涙型(アナトミカル型とかティアドロップ型と称されます)


【バック表面の性状】

@ツルツル(スムース型と称されます)

Aザラザラ(テクスチャード型と称されます)


Aの方が被膜拘縮が起きにくいという説がありますが、私見ではどちらも同じと考えます。Aの場合は切開創を大きくする必要があり、@は小さな創から挿入することができます。

//豊胸術の麻酔について//

背骨の麻酔(硬膜外麻酔)で胸部だけに麻酔を効かせ、意識を保ちながら手術を行い、術中に体を起こして鏡で形や大きさを確認できるという点を強調するクリニックもあるようですが、これには少々問題があります。

硬膜外麻酔が運良くバッチリ効いていれば、痛み的には手術は可能でしょうが、たいていは部分的に麻酔の効かない箇所があって痛い思いをすることになります。

患者さんから痛いと訴えがあれば医師の手術も中途半端で終わってしまうことが多いのです。また胸部の硬膜外麻酔中に体を起こすと急速な血圧低下が起こり非常に危険だと考えます。血圧低下で意識がもうろうとし、鏡など確認できるものではありません。

豊胸術をされる方は、クリニックに麻酔方法を事前に確認しておきましょう。

//豊胸術のリスクについて//

@被膜拘縮(ひまくこうしゅく)

人体にシリコンバッグという異物を挿入すると、この周りに必ず被膜が形成されます。そして程度の差はあれ、この被膜は必ず収縮します。収縮が軽度で済み、バッグ挿入腔が広く保たれれば、柔らかい触感の乳房に仕上がりますが、収縮が強く出る(拘縮)とバッグ挿入腔が狭くなり、バッグが圧縮されることになるので固い触感の乳房になります。片方だけに被膜拘縮が起これば形の左右差も出ることになります。

よくマッサージを怠ったから固くなったとか言いますが、私はマッサージをしっかりやっても固くなる人は固くなるというのが実情だと思います。逆に何もマッサージをやらなくても柔らかい人は柔らかいのです。被膜拘縮が起きるかどうかは体質に依存する部分が多いと思います。

医師にできる唯一の予防策は、手術で剥離を十分を行い、バッグ挿入腔を広く作っておくことしかないと思います。もし不運にも拘縮が起きた場合は再手術が必要になることがあります。


A胸部の感覚異常

豊胸術に限りませんが、手術箇所がしばらく感覚が鈍かったり、チクチクしたりすることがあります。多くは半年以内に改善しますが、場合によっては所々感覚が戻らない箇所が出る可能性があります。


B創

一筋の白い線になるのが理想ですが、体質によっては目立つ傷になることがあります。最低でも一年は様子見て、それでも改善が無いようなら傷の修正が必要になることがあります。