身体の形成

ワキガ(腋臭症)・多汗症

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//はじめに//

わきがの場合、他人に不快感を与え、自分自身も気持ちや行動が消極的になってしまう(自己臭恐怖症)ので、手術が望ましいと考えます。しかし多汗症の場合、治療を要するほどの多汗かどうかの判断が難しく、例えば多汗症であるとしても、他人に迷惑をかけることはないので、制汗剤や汗わきパット等でしのげれば必ずしも手術の必要は無いといえます。手術では必ず何らかの傷が少しは残るものですが、例え傷が残ったとしても、わきがの場合は手術すべきです。

しかし多汗症の場合は本人の希望が強い場合にのみ手術を行います。注意しなければいけないのは、どのような手術をしたからといって100%の無臭、無汗にはならないという点です(一部週刊誌に書いてある100%治るというのは嘘です)。例え少しは臭いが残ったり、汗が出るとしても、日常の気配りでごまかすことができるのであれば十分治療効果が出たと考えなければなりません。

人間の汗腺にはアポクリン腺エクリン腺があり、前者は協の下とか性器周辺など限られた部分の皮膚に存在しますが、後者は全身の皮膚に存在します。わきがは前者、多汗は後者に起因しているといわれています。

わきがや多汗症の治療はこれらの汗腺を除去することになりますので、以下にその具体的な手術方法を説明いたします。

//皮膚切除法//

脇毛の生えている部分の皮膚を紡錘(ぼうすい)形(円柱状でまん中が太く、両端がしだいに細くなる形。)に切り取って縫い縮める方法です。脇毛の生えている範囲をすべて切り取ることは難しい(後で縫い縮められないから)ので、脇毛の生えている中央部分を切り取ることになります。

女性の場合は脇毛の生える範囲が狭いので、わきのシワ方向に切り取ることが多いですが、男性では脇毛の生える範囲が広いので横方向に切り取ることが多いです。先に述べたように、手術では100%の無臭、無汗を得ることはできません。たとえ切り取れない部分があるとしても、十分な治療効果が得られると考えます。


脇毛の生える範囲の少ない人 皮膚切除(シワ方向)縫合(シワ方向)
脇毛の生える範囲が多い人皮膚切除(横方向)縫合(横方向)

//剪除法(皮弁法)//

剪除法(イラスト)わきのシワに沿って、3〜4cmの切開を1〜2本入れ、そこから皮膚を剥がします。剥がした皮膚の裏側をはさみでツルツルに削ぎ取っていく(剪除)方法です。

あまりにペラペラにしますと皮膚が壊死(穴があく)するので、ある程度皮膚の厚みを保つ必要があり、その結果皮膚のごく表層の汗腺は取りきれないことになります。しかし、たとえ取りきれない汗腺があるとしても、十分な治療効果が取られると考えます。

//皮膚切除法と剪除法の比較//

(1)皮膚切除法

・長所 術後に強固なガーゼ固定が不要で、テープを貼るだけでよい。

・短所 皮膚が突っ張り、傷が大きく残りやすい

(2)剪除法

・長所 あくまで一般論だが(1)に較べれば傷が目立ちにくい。

・短所 術後に強固なガーゼ固定が必要。このガーゼがついている間は脇を挙げられないし、仕事を休むなどして安静が必要。これを守らないと血腫(出血の溜まり)などの合併症が起きやすい。


ガーゼ固定

//多汗症に対するボトックス注射//

ボトックス注入箇所(イラスト)汗腺は自律神経のうち、交感神経の刺激で発汗します。ドキドキすると手が汗ばむというのと同じ原理です。

ボトックスには交感神経を抑制する作用があるので、これを脇の皮膚に注射すると数ヶ月に限り発汗が抑えられます。しかし所詮一時しのぎであり、また制汗作用にも個人差があり、あまり効果の出ない人もいます。