
性同一性障害(GID)の治療は、そのガイドラインによれば、@カウンセリング療法 Aホルモン療法 B手術療法 の順で進めていくことになっています。 @は十分な経験を有する精神科医や臨床心理士などによって行われるものですが、そのことに何の意味があるでしょうか。
生物学的な性(sex、身体)と、自己が意識するところの性(gender、脳)が一致しない人において、この二つの性を一致させようとすれば、それはAやBによって身体を変えていくしか仕方がありません。いったん形成されてしまった性に関する自己意識は、どんなにカウンセリングを受けたところで、どんなに親族や友人に説教されたところで、どんなに自分自身が頑張ってみたところで変わることはないからです。
確かにAやBの治療を受けたところで、生殖機能が伴った別の性になれる訳ではありません。しかし身体を、自己が認識するところの性に近付けることは可能であり、それによってGIDの苦しみが緩和されることになります。 とは言え、GIDの人は、家庭において、地域社会において、学校や職場において様々な問題に直面します。AやBの治療ですべてが解決するわけではなく、GIDの人々を含むマイノリティの人々が受け入れられやすい成熟した社会の到来が待たれるところです。
明確な統計は知る由もありませんが、大学病院や精神科医院等で@から始める人よりも、いきなりAやBから始める人の方が大多数かと思われます。 その場合、Aは産婦人科医院、美容外科医院等の医療機関でやってもらうことになります。中には、医療機関に頼らず、外国製ホルモン剤をインターネットで個人輸入して服用する人もみえますが、筋肉注射の場合はやはり医療機関にお願いすることになります。 Bは美容外科医院、外国の病医院等の医療機関でやってもらうことになります。
大学病院でABの治療を希望する場合には、時間の無駄ではありますが、ガイドラインに沿って、その病院で@の治療から始めなければなりません。 どちらの道を選択するかは、自らの社会的環境を熟慮の上、決めることになります。
精神科医のGIDの診断書がないとABをやってもらえないから@から始めるという話をよく聞きますが、そんな診断書がなくてもABをやってくれる医療機関はあります。その医療機関の医師が自らの裁量でGIDと診断してやってくれる訳です。そのような医療機関でABを済ませてから、精神科医の診断書を取る人もザラにみえます。改名、戸籍変更等の手続きで、居住地域の家庭裁判所から提出を求められてから診断書の取得に動けば十分です。
Bの中でも生殖器の手術の場合には、少なくともAの治療を半年〜1年続けることが必要ですが、たとえば顔や乳房等の手術でしたら、これは一般の美容目的手術と同じですからAを経ないで、いきなり受けてもよいと思います。
MTF(male to female:男性→女性)の手術
FTM(female to male:女性→男性)の手術
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